2025/06/27 | NYA-, FEATURES

【NYA-】 染色アーティストのYUKIさんによる唯一無二の〝タイダイ染め〟

NYA-
ヒッピー×ストリートのタイダイ染めは唯一無二。染色アーティストのYUKIさんとのコラボレーションでは、いつものNYA-とは違う新鮮なデザインの数々が登場。インタビューを通じて、その技法と魅力に迫ります。
ヒッピー×ストリートのタイダイ染めは唯一無二。
染色アーティストのYUKIさんとのコラボレーションでは、
いつものNYA-とは違う新鮮なデザインの数々が登場。
インタビューを通じて、その技法と魅力に迫ります。
 

ー YUKIさんは染色アーティストとしてさまざまな作品を発表されているほか、タイダイ染めのブランドである「D.Y.E(ダイ)」を手掛けていらっしゃいます。まずはタイダイ染めという技法について教えてください。
英語で「Tie, Dye(絞って、染める)」となるように、Tシャツなどの衣料品を縛り、専用の染料を使って染め上げる技法です。日本の伝統的な染色は何年も修行が必要ですが、タイダイ染めは誰でも手軽にオリジナルの柄を作ることができます。
ー 染色技法としては古くからあるものが、1960年代にヒッピーカルチャーの流行とともに広まったとか。
タイダイ染めの最大のポイントは「自由」にあると思っています。絞って、染めて、洗う。そのくらいしかルールがなくて、自分の好きなように染めることができます。そのDIY精神が自由を愛するヒッピーたちの共感を集め、爆発的に広まりました。
NYA-
NYA-
NYA-
NYA-
とはいえ、こういう派手な色遣いの服は、日本だとオシャレの上級者が着るものという印象で、海外ほどは広まっていませんでした。それでも最近はいろんなファッションのスタイルが定着したおかげで、日本でもタイダイ染めの服が当たり前になってきました。もっとも、私自身がタイダイ染めをやっているから、自然と目につきやすいだけかもしれませんけど(笑)。
ー YUKIさんのタイダイ染めは、ヒッピーカルチャーからの影響だけでなく、パンクやスケートボードといったストリートの感覚もプラスされていますよね。
私はスケーターとかバンドマンの友人も多いんですけど、そういう人たちってレインボーみたいな〝ヒッピーすぎるデザイン〟が、あんまり好みじゃないんです。私もタイダイ染めの伝道師というよりは、この技法を使ってどういうファッションアイテムを作れるのかに興味があるタイプなので、ストリートでも自然に着られるようなタイダイ染めを追求しています。
ー そういう意味では、今回のコラボレーションはどのように発想されましたか?
タイダイ染めは派手で明るい色遣いが特徴ですが、NYA-というブランドには、もう少し大人っぽいイメージがあります。落ち着いた大人の女性が着ている印象があって、あまり派手すぎると違うかなと。それで緑や紫など、いつもの自分よりも柔らかい色味を意識しました。
NYA-
NYA-
ただ、日常的に濃い染色ばかりしているせいか、自分としては薄く染めたつもりでも、仕上がってみると結局、かなり派手なんです(笑)。だから、NYA-の皆さんとディスカッションしながら、スパイラル柄でも淡い色合いにしてみたり、互いにちょうどいい塩梅を探っていきました。こういう色遣いのタイダイ染めは滅多にしないので、自分にとっても新しいチャレンジでした。
ー 大きな猫のシルエットもタイダイ染めで?
そうです。シルエットのラインに沿って半分に折ったあと、こういう柄になるように絞って染料をかけます。左右対称だったら、どんなシルエットもできますよ。
NYA-
ー すべて手作業なんですね。
1つずつ手で染めています。だから、同じデザインの製品でも微妙に個体差があるんです。
ー 既製服だけど、まったく同じものはないと。
はい。だから、店頭で何枚か並べて、「どれがお好きですか?」とやっても面白いんじゃないかと思っています。接客時の話の種になったらいいなって。
ー 今回はTシャツ以外に、靴下やトートバッグ、キャップなども展開されますが、それぞれ染め方は違う?
いえ、基本的な技法は変わらないです。ただ、素材によって絞り方や化学染料の濃度は変えています。例えば、キャップにスパイラル柄を入れようとしても、帽子のつばのところが硬いので、うまく絞れないというモノとしての制限がありますよね。だから、「こういう柄はどうですか?」と逆に提案させてもらいました。
ー そのキャップやトートバッグなど、今回のラインナップには染色だけでなく、ブリーチ(脱色)して色味を乗せたアイテムもありますが、これも技法としては一緒?
そうですね。「絞って染料をかける」のが「絞ってブリーチする」に変わるだけで、工程は大きく変わりません。
ー レインボーのような〝タイダイ染めの王道〟から対極にある、こうしたデザインもYUKIさんの特徴です。
タイダイ染めはどうしてもレインボー柄のイメージが強いんですけど、私なりのオリジナリティも大切にしたいので、いろいろな技法を試しています。
NYA-
グラフィックデザイナーの友人がスプレーガンでシュッと染料をかける感じが面白いと思ったら、それをブリーチで再現してみたり、絵を描いている友人の筆のタッチを取り入れてみたり。ブリーチで染める技法も、パンクで有名なアナーキーシャツからの影響が大きいですね。
ー どれもインパクトのあるデザインですが、どのようなコーディネートがおすすめ?
もちろん、Tシャツ1枚で着てもいいのですが、バッグや靴下を全体の差し色として使うのもありだと思っています。タイダイ染めを全面に押し出さず、パンツの裾から靴下の柄がチラッと見えるくらいでもオシャレですよね。
でも、NYA-のファンはいろんなブランドを合わせて着るのが得意な方々だと思うんですよ。だから、私が想像もしていないような着こなしをしてくれたら嬉しいです。
ー 今や機械でもタイダイ染めの柄は再現できるそうですが、YUKIさんは一貫して手仕事にこだわっています。その魅力とは?
機械の染色は基本的に個体差が生まれません。むしろ、個体差が出ないように機械を使うわけですよね。でも、私はタイダイ染めの魅力は、結果を完全にコントロールできないところにあると思っています。
それこそ染めるときの水の温度、乾かすときの湿度といった要素で発色の具合は変わってしまいます。私はTシャツだけで今まで何百、何千と染色してきましたが、いまだに思い通りの結果にならないこともあるんです。
でも、それは失敗ではなくて。思い通りにならないから新しい発見があり、その発見が次のアイデアにつながっていく。そういうコントロールしきれないところが魅力だし、タイダイ染めならではの楽しさだと思っています。
ー 7月12日(土)にはCABANE de ZUCCa / Plantation青山店でワークショップも開催されるとのことで、そんなタイダイ染めの魅力に直に触れられる絶好の機会になりそうですね。
タイダイ染めには「正解」がないから、誰でも気軽に参加できます。基本のやり方を学んだら、あとは好きなように染めて構わない。どんな柄でも自由です。自由な感性で好きなようにものづくりができる。そういう経験って大人になると、なかなかできないですよね。だから、子どもに戻ったような感覚で楽しんでもらえたら嬉しいです。
NYA-
(取材・文/小山田裕哉)

Profile
 
YUKI
染色アーティスト
 
大阪芸術大学テキスタイル染織学科に在学中、カリフォルニアカレッジオブアーツに留学。アメリカのタイダイ染めに衝撃を受け、本格的に染色の道を志す。2013年、タイダイ染めブランド「D.Y.E(ダイ)」をスタート。その唯一無二の柄にはファンが多く、さまざまなブランドとのコラボレーションも多数。
 
Instagram: @yukidye
【EVENT】
下記日時においてYUKIさんが在店し、タイダイ染め体験をしていただけます。
お買い上げのNYA-のTシャツ(一部カラー除く)をYUKIさんと一緒にお好きなカラーで染めて、自分だけの1枚を作れる特別な機会です。
ぜひお立ち寄りくださいませ。

■ CABANE de ZUCCa / Plantation 青山店 1F
7/12(土) 14:00-17:00
※最終16:30

イベントはどなたでもご参加いただけますが、当日は混雑する場合がございます。
青山店にてイベント参加のご予約を承っていますので、お気軽にお問合せください。

CABANE de ZUCCa / Plantation 青山店
TEL : 03-3470-7488


Instagram

@nya__official

BACK