2025/05/23 | Plantation, FEATURES

Plantation 2025 AUTUMN/WINTER COLLECTION
– 産地との共創で生まれるものづくり –

Plantation 2025 AUTUMN/WINTER COLLECTION
– 産地との共創で生まれるものづくり –
Plantation
6月より店頭展開される2025年秋冬コレクション。そのおすすめ商品とプランテーションのものづくりにおけるこだわりをデザイナー、テキスタイル担当、技術担当へのインタビューを交えてご紹介します。
職人と共創する、
唯一無二のテキスタイル
凹凸のあるシボ感が特徴で、肌離れがよくバネのようにしなやかな「YOORYUU(ヨーリュー)」。岡山のデニム織機を使った織組織によるウェーブや軽量感が魅力の「BIZEN(ビゼン)」。空気をたっぷりと孕み、夏は涼しく冬は暖かい「風通ジャガード」。プランテーションの服は、こうしたオリジナルのテキスタイルを地域の熟練した職人と共創しながら生まれています。

デザインの軸は、
「軽さ・心地よさ・扱いやすさ」
「大切にしているのは、産地や職人の方へ敬意を払いながらプランテーションらしい発想を軸に、現代の生活にフィットした軽く、心地よく、またケアも簡単な服をデザインすること。定番になった素材も毎シーズン、プリントや加工を加えることによって、常に新しい表情を提案しています」とデザイナーのサトウエミコは言います。
6月より展開される2025年秋冬シーズンのコレクションテーマは「VERTIGO(めまい)」。幾何学的な縞模様や曲線、ドットなどのモチーフが連なるデザインやアートに、ズレや歪みを加えることで演出される錯視的な効果――そういったオプティカルアートのエッセンスをテキスタイルに落とし込んだ、グラフィカルなアイテムが豊富に登場します。


「YOORYUU」に宿る、
軽やかさと躍動感


プランテーションの定番素材のひとつ「YOORYUU」の25AW新作には、オリジナルのドットと線の柄を採用したトップスやスカートなどが登場。この「YOORYUU」は、滋賀県高島地域に根付く綿織物「高島ちぢみ」の素材を使用したもので、繊細なシボ感と、それにより肌に触れる面積が少なくなることで実現する涼しい着心地と高い吸湿性が特徴です。
「もともと『高島ちぢみ』を使用した商品はシボが縦地になるように使うことが通常ですが、プランテーションでは発想を転換し、横地にして使っています。そうすることで、ハリ感とプリーツのような弾力性が引き立ち、より肌離れの良い着心地が生まれるからです。加えて、着用時、シボがバネのように伸び縮みし、リズミカルな動きをもたらしてくれます。そうした立体的でモダンなシルエットと、柄のバランスも楽しんでいただければ」(サトウ)


テキスタイル担当者は、「オリジナル柄を顔料でプリントしました。そのプリント部分の少しボコっとした膨らみと、『YOORYUU』の持つシボの立体感が相まって生まれる、独特の風合いもポイントです」と話します。また、「今シーズンは、無地のYOORYUUとも色を合わせているため、オリジナル柄と無地をミックスコーディネイトしていただけるようにも配慮しました」


「YOORYUU」は、天然繊維を織組織の組み合わせや加工によって伸縮させ、独特の風合いを生み出した素材。温度や湿度などその環境によってもその伸縮は変化し、まるで生き物のようだとも言われます。パターンを担当する技術担当者は「だからこそパターンも、素材やアイテムによってアレンジしながら、ひとつひとつ丁寧に仕上げています」と製作秘話を話します。「特にYOORYUUは伸縮率が大きい素材。プリントした部分と無地の部分で縮み具合も変わり、さらに色の濃さ、顔料の濃度もそうした伸縮率に影響します。そのアイテム、柄に対して最適なパターンを探りながら、ベストなものをお届けできるようにじっくりと時間を使って作っています」
「風通ジャガード」と「BIZEN」、
素材の新たな表現


薄くて軽い素材ながら素肌が透けにくい二重織りの「風通ジャガード」のワンピースドレスや、「BIZEN」シリーズの新作も、秋冬コレクションの立ち上がり時期のおすすめアイテムです。「ジャガードのワンピースは、ギザギザと波打つ、連続した線の中にズレと歪みを加えることで、柄の中に没入するような視覚的な感覚もお楽しみいただける1枚です」とサトウ。テキスタイル担当者も「こうした柄はジャガードの織組織、つまり縦糸と横糸の交わり方によっても表現されており、プリントとはまた違う風合いもその魅力」と言います。


「BIZEN」シリーズからは、ストライプの線の幅が段々とグラデーション状に太くなっていくような、オプティカルなトップスなどが登場します。この「BIZEN」はデニムの産地岡山の工場と織り機を使った生地で、熱加工ではなく、織組織によって表現されたソフトな凹凸感が特徴の素材。素肌への接着面が少ないため、着心地も軽やかで、身体に優しく馴染む、これからの季節に適した素材でもあります。

「生地は、縦にコットン糸、横にキュプラを使用し、やや光沢感のある表情に。加えて、グラデーションになったストライプも単純なプリントではなく、組織によるウェーブ状の細かい突起を生かした作りになっているのも特徴です。平面的なプリントと違い、やや立体感のある柄が、日常生活に寄り添いながらも凛とした佇まいになるよう意識しています」(テキスタイル担当者)

素材の可能性を引き出す、
丁寧な手仕事
「プランテーションのものづくり全般に言えることですが、それぞれのアイテムは機能性が大切にデザインされているのも特徴です。」とは技術担当者の言葉。「たとえば、ポケットの袋部分を身頃に留め付け、できる限り裏側で揺れないように仕立てています。そうすることで手の出し入れもしやすく、身頃裏の見た目も綺麗になるからです。また、そのために素材によっては、縫製などを一から見直すこともあります。そうやって生活の中にアイテムがモノとして美しく、機能的に存在するように細部までしっかり作り込むことを心がけています」


「それぞれの服は完成までに何度も試作を重ね、ブラッシュアップしていくのだと3人は口を揃えます。また「そうした過程を踏んでクオリティを高めていくことも、プランテーションのものづくりの真骨頂であり、面白さです」とも。

産地との信頼関係が生む、
新しい価値
「加えて、産地との長年に渡る取り組みは、プランテーションのものづくりの要になっています。『YOORYUU』の産地は、もともと無地の素材を得意としてきたところ。そこにプリントや染めを施した生地を一緒に作り上げています。また『BIZEN』はデニムの産地。しっかり打ち込みされた堅牢性の高いデニムが良いとされる中、その技術を活かしながら私たちが着たい、軽く、肌触りもソフトな生地を生産していただいています。産地の職人の方にも面白がって挑戦していただいていることも、我々のものづくりの下支えになっていますし、そうした産地の魅力も商品を通して知っていただければ」(サトウ)


「テキスタイルにおいても、単に図案を作ることだけでなく、製品染めなどの加工や素材との相性、細かい部分で言えば糸の太さなども加味し、イメージをきちんと再現するためのさまざまな知恵や工夫が必要になってきます。そうしたときに、過去の製品はどうだったか、別の素材で作った時にはどうだったかブランドが蓄積してきた経験を振り返ること、また産地の職人の方とのやりとりが重要になってきます」(テキスタイル担当者)

「パターンも同様に、工場から上がってくるサンプルを確認しながら、キャッチボールするように改善していきます。また、“縁の部分に薄い布地を貼れば、伸縮する生地でも形が崩れないかもしれない”といった日々の生活の中でふと思い浮かんだアイデアを試しながら、完成度を高めていくこともあります」(技術担当者)
長年、産地が生活の中で培ってきたテキスタイルのテクニックと伝統に、新しい発想を注ぎ込みながら、現代生活に寄り添い、日々に彩りを与えるものへと進化させていく――そうしたプランテーションらしさが変わらずに感じていただける今シーズンの新作をぜひ、お手にとってお楽しみください。

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