2019/05/24 |

「アンコール有松絞り」ができるまで

mercibeaucoup,
名古屋市内にありながら江戸時代の面影を残す町 ”有松”。
江戸時代始めの頃、東海道を行き交う旅人にお土産として絞りの手ぬぐいなどを販売し栄えたのがはじまりで、有松絞りは400年以上の歴史を誇り、国の伝統工芸品にも指定されています。

今回メルシーがコラボレーションした、伝統的な絞りと染めの二つの手しごとでつくられる “有松絞染”。
メルシーの「アンコール有松絞り」ができるまで、をデザイナーの宇津木さん自ら、現場で一緒につくりあげた過程をご紹介します。

STEP 1

デザインする = DESIGN
mercibeaucoup,
まず、生地のどこを絞り染め、あたらしい1着にするか、職人の方のアドバイスを頂きながらデザインしました。

ペンで描いたり、板の型をつかったり、時にはコンパスで円を・・・
お湯で消えるインク(青花)を使うので、間違えてもx印で修正!
そうしたら跡は残りません。

そして、どうしよう・・・ こうしよう!と一着一着染め上がったときを想像し、楽しみました!

mercibeaucoup,

STEP 2

絞る = Tying
mercibeaucoup,
糸で生地を絞ることで ”防染” (染まらないところをつくる)します。
今回は生地を摘み絞り染め分ける ”大帽子絞り” と、板で生地を挟み染める ”板締め” の二つの手法で表現しました。
”大帽子絞り”
mercibeaucoup,
STEP1 で描いたラインに沿って生地をたぐり寄せ、糸でギュッと絞り上げ染める側と染めない側に分けます。
染めない側は染料がしみ込まないよう、まずビニールに入れます。
mercibeaucoup,
そして、ビニールの上からぐるぐるぐるぐる・・・
職人さんが糸でさらに絞りあげ、生地をしっかりと密閉します。
その姿はまるでキャンディーやてるてる坊主!かわいい!!!
”板締め”
mercibeaucoup,
STEP1で描いたラインの上下から、版となる板で生地を挟み込み、専用の金具で板と生地をしっかり締めます。
すると板で挟んだ箇所には染料がしみ込まずに、元の生地の色のまま抜きで表現されます。
板締めは、希望のデザインの板版があれば文字も記号も表現することができます。
今回は、メルシーらしい ”m” と ”” で挑戦!
mercibeaucoup,
しかし、”m” と ””をあわせると、ものすごく大きくなってしまい、染めの釜に入れるのが大変!
そんな中、イメージどおりになるよう、試行錯誤し、作業してくださいました。
ありがとうございました!

STEP 3

染め・抜染 = Dye・Breach
mercibeaucoup,
こうした下準備を終えて、やっと染めていきます。
今回は色をつける ”染め” と元の生地から色を抜く ”抜染” に挑戦!

STEP2で絞り出来たものを、”染め” の場合は染液に、”抜染” の場合は脱色液に漬け、お鍋や釜にいれてぐつぐつ煮立たせます。

mercibeaucoup,
すると、染液が染みこみ生地が段々と、
”染め” は濃い黄色・・・
”抜染” は淡い黄色に・・・
あれ?おかしい!あおくない???!

実は、インディゴの染料は空気と触れることで酸化し、次第に生地の色があおく鮮やかに色づいていくのです。
びっくりした~。

STEP 4

できあがり! = Finish
mercibeaucoup,
染まった生地は、水で冷やしつつ、絞っていた糸や締めていた金具や板を外します。
ぎゅっと絞ったものを一つ一つ解いていくのもすべて手作業で行います。
本当にたいへん・・・
そして、さらに水につけて染料をしっかり落としたら・・・
ついに、メルシーボークー、の「アンコール有松絞り」のできあがり!
mercibeaucoup,
手作業だからこそ出る風合いで、一着一着が全て異なった印象で仕上がります。
ぜひ、あなたのお気に入りの一枚を探してみてください。

もっと「有松絞り染め」を知りたい方は、こちら
https://www.arimatsushibori.jp/


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